催狐

「その種の思考は、単一の世界を引きさいて、客観的事実と主観的内面とにわけた」
「16世紀はじめには、世界を客観と主観に二分するのは、なにか特定の研究をすすめるための、まったくのフィクションだということが、まだみんなの意識に残っていた。」
「ところが、時代がすすむにつれて、この二元論はフィクションにもとづいているという点が、すっかり忘れられてしまったようだ。今日ではほとんどの人が客観的な世界と主観的な世界があるということを信じて疑わない。それどころか事態はもっと深刻で、『客観的』ということばが『正しい』の同義語にされてしまっているんだ。」
「このあやまった概念を克服できる方法は、僕の考えでは、一つしかない。つまり、二元論を捨てて、フィクションをフィクションとして再確認する。それから、人間の意識と世界とがわかちがたくひとつに結びついており、両者は一枚のコインの裏表である、ということを理解する。」
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